春に調子・体調が悪いのは肝に有り
東洋医学で考える不調の治し方についてお話していきます。
こちらのページでは
・春になると体調が悪いと感じる方
・春になると症状が出る
とお悩みの方に、東洋医学で改善さる訳をお話していきたいと思います。
今回は大きく分けてこの3つを、お話ししていきます。
①東洋医学が春の病に有効な理由
②春と肝の関係について
③今から出来る処方箋
西洋医学における春の病の概念
西洋医学における春の病(やまい)としては科学的根拠が無いとして、正式な病名はありません。
科学的根拠が無いとして対処の余地もないです。
漠然とした体調不良で罹ると、場所により心療内科で処方するような、内服薬などが処方されることもあるそうです。
この春に起きやすい病として
・頭痛
・皮膚症状
・胃炎
・アレルギー
・ほてり
・のぼせ
・脱力感
などがあります。
それらの多くの症状を訴えながらも、西洋医学で原因不明の状態を「不定愁訴」といいます。
「火のないところに煙は立たぬ」という言葉があります。
火の無いところに煙はたたないので、火の元である根本原因を理解し、それに対して治療することが有効であると考えます。
西洋医学では「平均値」として明確な数字があり、その平均値で病気の有無を判断します。
東洋医学では個々の状態は常に変動していくことから一人一人の平均基準値は違うと考える為、2500年前もの医学書から春に不調になりやすい人の原因が解っています。
では何故、東洋医学では火の元である原因が解かるのでようか?
①東洋医学が春の病に有効な理由
東洋医学は2500年前もの歴史がある、経験医学です。
現代のように医療機器が発展していなかった時代は、お医者さんは
・脈や腹
・舌の状態
・季節
・気候
など五官を使い、患者さんの今ある状態を把握していました。
ですので東洋医学では現代の数値やデーターでは、把握出来ない部分を診ることができます。
西洋医学との大きな違いの一つに組織器官は個別に機能するのではなく、全体が一つの繋がりを持っていると考えます。
西洋医学はお医者さんに罹ろうとする時様々な科に分かれます。
東洋医学では全体は繋がっていると考えることから、あらゆる疾患に対応出来ると言えます。
②春の病と肝の関係について
この表で分かるように東洋医学ではあらゆる病が五臓六腑と関係していると考えます。
春の病は肝に属しています。
春に出やすい症状として
・高血圧
・自立神経失調症
・頭痛
・目の症状
・生理の状態
・肩凝り
・不妊
・めまい
などがあることが解ります。
②春と肝の関係について
東洋医学では肝とは西洋医学の肝のこともいいますがそれだけでは無いです。
肝には
・疏泄作用
・昇発作用
・条達作用
・蔵血作用 があります。
これらの作用は全て貯蔵している血液を全身に巡らします。
車でいうとモーターのような働きが肝の作用です。
そのようなことから血液と関係が深い臓器であることがわかります。
肝臓は西洋医学的に考えても
・コレステロール分解
・有害物質の無害化
・解毒作用
があるように常にモーターのように作動している為、ストレスを抱えやすいです。
春になり肝の機能亢進、または肝の機能低下により、疏泄作用が亢進または低下すると、様々な症状がおこるという訳です。
では何故春になると肝の機能亢進・肝の機能低下が起こるのでしょうか?
それはひとつ前の季節である冬の時期から関係しています。
冬の状態をみていきます。
冬は腎が弱まりやすくなります。
最近まで寒かった冬、夏より多くのエネルギー(代謝量)を使うと言われており、その為人の活動量は抑え気味になります。
エネルギー(気)の流れを内向きにして無駄な消費を抑え、溜め込もうとします。
陰の時間(暗い時間)が長いので、感情は恐れやすくなります。
最近は半そでのように暑い日もあれば、冬のようにジャンバーが必要な日もあり、寒暖差や気圧の変化に大きな幅があります。
また、東洋医学では【冬・腎】から【春・肝】にかけての関係を相生関係といいます。
冬の状態が肝に影響するということです。
ですので腎が強い人は春も体調が良く過ごせる方が多いです。
腎が強い為外的環境によって極端に体に影響しないということです。
腎が弱わいひとは肝にも影響することがわかります。
そのことから肝腎の状態を強くすると、春の病は防げるという訳です。
あなたは肝実タイプ?肝虚タイプ?
肝の機能亢進している人は
・怒りやすかったり
・体温が上昇しのぼせ
・めまい
・アレルギー
・肩凝りなど
・筋肉の痛み
・目の症状 などを訴えます
春に変な人が多いと言われるのも肝の亢進して人が多くなるからです。
肝の機能低下している方は
・めまい
・貧血症状
・気分の憂鬱さ
・落ち込み
・筋肉に脱力
・爪がもろい
などがみられます。
東洋医学では環境変化(外的変化)が人間に大きなストレスを与えるこを解っています。
外的ストレスとは【外邪】とう存在する物質であると考えます。
何故、鍼や灸は肝に効くの?
こちらは1,000年程前に書かれた肝の経絡図です。
経絡とは全身には361穴のツボ(経穴)がありますが、ツボ(経穴)は頭の先からからつま先まであります。
ツボ(経穴)とツボ(経穴)は1本の線で繋がっており、その線を経絡といいます。
電車に例えると新宿ー新大久保ー高田馬場が山手線というように
中封ー蠡溝ー中都というツボ(経穴)は肝の経絡で結ばれます。
肝の経絡は肝を貫くことから、肝の経絡で治療をすると春の病(やまい)に効果があるといえます。
③では今からできる処方箋
日々ご自宅で出来ることとしては、漢方の服用やお灸があります。
ここでは肝の病(やまい)に効くツボをご紹介します。
鍼や灸では肝の作用を高めるのに肝の経絡上にある経穴(ツボ)を使い、体性ー内臓反射により肝に作用します。
体制ー内臓反射とは体表面の刺激により、内臓に起こる反射のことです。
ですが資格の無い方は鍼は使えませんので、自宅ではお灸(せんねん灸)や指圧によって体制ー内臓反射で肝の機能を高め養生することができます。
今回ご案内するツボ(経穴)は【太衝】というツボです。
【太衝】の取り方
太衝は足の甲にあります。 足の親指と人差し指の骨と骨が交差するところ。
やや凹んだ場所です。
☆最後に
この時期は温かい日もあり、桜は咲くので素敵な季節ですが、不調があっては日常に支障をきたしますよね。
「部分」を診る西洋医学と「全体」を診る東洋医学の違い、解っていただけましたでしょうか。
西洋医学も東洋医学も得意とする部分は両者が理解し、不得意とする部分は補って患者様の選択肢が広がれば本望です。
今回東洋医学の有効性については、ごく一部となっております。
詳しくはアニメーション動画がありますので、下記URLをご覧下さいませ。