東洋医学で考える花粉症の治し方についてお話していきます。
こちらのページでは
・薬を飲んでも良くならない
・年々酷く感じる方
・日常に支障をきたし困っている
とお悩みの方に、東洋医学で改善される訳をお話していきたいと思います。
今回は大きく分けてこの3つを、お話ししていきます。
①東洋医学が花粉症に有効な理由
②花粉症と肺の関係について
③今から出来る処方箋
西洋医学における花粉症の概念
西洋医学で花粉症とは、花粉が体内に侵入することでアレルギー反応が生じる病気の総称と定義されています。
原因となる植物には
・スギ
・ヒノキ
・イネ
・ブタクサなど様々なものがあります。
また中国から黄砂が最も飛来する季節です。
処方される薬
・抗アレルギー薬
・ビタミン剤
・ステロイド
などがあります。
ステロイドと言いますと注射がありますが、注射一本で花粉症シーズンを楽に過ごせる、とのことで一時期流行りました。
ステロイドの注射は内服に比べて 副作用や合併症のリスクが高いとして、日本アレルギー学会でも「花粉症に対するステロイド注射は望ましくない」ということを警告しております。
ステロイドについて
ステロイドは副腎という臓器が自らステロイドを生成分泌しています。
内服や注射等によって外から補うと副腎自ら生成・分泌する働きが弱くなり、
ステロイドに依存してしまう体質になってしまいます。
そのため「脱ステロイド」があります。
いずれにしても西洋医学ではアレルギーを抑えたり、体内から自然に分泌されるホルモンを外から補うとするような、対処療法に過ぎません。
東洋医学で花粉症にならない体質へ
「火のないところに煙は立たぬ」という言葉があります。
火の無いところに煙はたたないので、火の元である根本原因を理解し、それに対して治療することが有効であると考えます。
毎年ニュースなどメディアでは「今年度の飛散量は去年の○倍」などの言い方で、如何にも花粉の飛散量だけにフォーカスされます。
日本人として生まれ育つ方の中にも、花粉症では無い方が存在します。
西洋医学では「平均値」として明確な数字があり、その平均で値病気の有無を判断します。
東洋医学では個々の状態は常に変動し、一人一人の平均基準は違うと考える為、2500年前もの医学書から花粉症になりやすい人、というのが解っています。
①東洋医学が花粉症に有効な理由
東洋医学は2500年前もの歴史がある経験医学です。
現代のように医療機器が発展していなかった時代は、お医者さんは
・脈や腹
・舌の状態
・季節
・気候
など五感を使い、患者さんの今ある状態を把握していました。
ですので、東洋医学では現代の数値やデーターでは把握出来ない部分を診ることができます。
西洋医学との大きな違いの一つに組織器官は個別に機能するのではなく、全体が一つの繋がりを持っているといった考え方があります。
西洋医学はお医者さんに罹ろうとする時、様々な科に分かれます。
東洋医学では全体は繋がっていると考えることから、あらゆる疾患に対応出来ると言えます。
②花粉症と肺の関係について
この表で分かるように東洋医学ではあらゆる病が五臓六腑と関係していると考えます。
花粉症は肺に属しています。
花粉症のある方は
・皮膚炎
・鼻炎
になりやすい、ということが解ります。
東洋医学の肺とは
東洋医学では「肺」とは西洋医学の肺のこともいいますが、それだけではないです。
肺は上記画像の水色の文字にあります、「宣発・粛降作用」があります。
宣発作用(=発散作用)は皮膚から汗を出したり老廃物を発散させたりします。
この宣発作用によって体表を巡っているのは「衛気」という気です。
「気」という言葉が出てきましたが、東洋医学では様々な「気」があります。
「気」は目に見えないものの、存在する物質としてとらえています。
目に見えない物質でありながらも私たちは
・「元気が無い」
・「気の持ちよう」
・「気分が良い」
などと言い、存在するように言葉にしていることが分かります。
話を戻しますがこの「衛気」は体外から侵入してくる外邪(物質)から身を守る防御機構をしています。
・感染症
・風邪
・花粉症
などの病気は、肺の宣発作用が弱った為、衛気の防御機能が低下したことからだと考えます。
東洋医学では肺の作用が充分に働くことで外邪から身を守ると考えます。
ですので、花粉や黄砂など外的物質から身を守るためには、肺の作用を高める治療をすることが重要だと考えます。
鍼はどのようにして肺に作用する?
こちらは1,000年程前に書かれた肺の経絡図です。
経絡とは全身には361穴のツボがありますが、ツボ(経穴)は頭の先から、つま先まであります。
ツボ(経穴)とツボ(経穴)は1本の線で繋がっており、その線を経絡といいます。
電車に例えると新宿ー新大久保ー高田馬場が山手線というように、
コウサイー列缺ーケイキョというツボは、肺の経絡で結ばれます。
肺の経絡は肺を貫くことから、肺の経絡で治療をすると花粉症に効果があるといえます。
今からできる処方箋
日々ご自宅で出来ることとしては、漢方の服用やお灸があります。
ここでは花粉症に効くツボをご紹介します。
鍼や灸では肺の作用を高めるのに肺の経絡上にある経穴(ツボ)を使い、体性ー内臓反射により肺に作用します。
体制ー内臓反射とは体表面の刺激により、内臓に起こる反射のことです。
ですが資格の無い方は鍼は使えませんので、自宅ではお灸(せんねん灸)や指圧によって体制ー内臓反射で肺の防御機構を高めることができます。
ツボ(経穴)のご紹介
ツボは「孔最」というツボです。
孔最は肺の経絡で手の平を「パ~」にしたとき手の関節と肘の関節の中間の親指一個分上にあります。
親指側の延長線上にあります。
少し押すと圧痛が感じられると思います。
最後に
この時期は温かい日もあり、桜は咲くので素敵な季節ですが、花粉症でお辛いことと思います
また日常に支障をきたしますよね。
「部分」を診る西洋医学と「全体」を診る東洋医学の違い、解っていただけましたでしょうか。
西洋医学も東洋医学も得意とする部分、不得意とする部分は補い合って患者様の選択肢が広がれば本望です。
今回、東洋医学の有効性はごく一部のご紹介ですが、詳しく知りたい方は下記アニメーション動画をご覧下さい。