東洋医学で考える頭痛の治し方についてお話していきます。
こちらのページでは
・薬を飲んでも治らない
・検査しても異常がない
・繰り返し慢性的に起こる頭痛
でお悩みの方に、東洋医学で改善される訳をお話していきたいと思います。
今回は大きく分けてこの3つを、お話ししていきます。
①東洋医学が頭痛に有効な理由
②頭痛と肝の関係について
③今から出来る処方箋
西洋医学における頭痛の概念
西洋医学で頭痛とは、頭頸部に限局する痛みの自覚症状であると定義されています。
・片頭痛
・緊張型頭痛
・群発生頭痛
という疾患名に分けられ、特徴があります。
どの様に痛むかで疾患名は変わりますが、原因はわかっておりません。
処方されるのは鎮痛剤などが基本で、いずれにしても対処療法です。
「火のないところに煙は立たぬ」という言葉があります。
火のないところに煙はたたないので、火の元である根本原因を理解し、それに対して治療することが有効であると考えます。
①東洋医学が頭痛に有効な理由
東洋医学は2500年前もの歴史がある経験医学です。
現代のように医療機器が発展していなかった時代は、お医者さんは
・脈や腹
・舌の状態
・季節
・気候
など五官を使い、患者さんの今ある状態を把握していました。
ですので東洋医学では現代の数値やデーターでは、把握出来ない部分を診ることができます。
西洋医学との大きな違いの一つに組織器官は個別に機能するのではなく、全体が一つの繋がりを持っていると考えます。
西洋医学はお医者さんに罹ろうとする時様々な科に分かれます。
東洋医学では全体は繋がっていると考えることから、あらゆる疾患に対応出来ると言えます。
②頭痛と肝の関係について
この表で分かるように東洋医学ではあらゆる病が五臓六腑と関係していると考えます。
頭痛は肝に属しています。
頭痛のある方は
・のぼせ
・肩こり
・目の症状
・アレルギー
・生理痛
になりやすい、ということが解ります。
東洋医学では「肝」とは肝臓のこともいいますが、それだけではないです。
肝は「疏泄」という機能があり、車のエンジンでいうとモーターのような働きをしています。
車にガソリンが入っていても、モーターが回っていないと車は動かないですよね。
この疏泄の作用で血が全身に巡っていき、脳が滋養され、手足の抹消血管へと行き渡るのが良好な状態です。
「条達作用」「昇発作用」もあり、とにかく上へと上へと、性質を持つのが、肝の特徴です。
ですので肝の機能が亢進すると熱が上に、頭に熱がこもり痛みを引き起こすという訳です。
また、肝の機能低下でも「血」が足りず「虚」している場合、いわゆる「貧血」状態によって脳が滋養されず、十分に循環されないことから「痛み」が現れる場合もあります。
あなたはどっちのタイプ?
肝機能亢進タイプ
・イライラ
・怒りやすい
・顔がほてる
・ニキビや吹き出物がある
・のぼせ
・筋肉や腱を痛める
・酸っぱいものを好む
肝の働きを正常に戻そうと酸っぱいのが欲しくなったり、上記のような症状が現れる方は、肝の熱を降ろす治療をすることが重要です。
肝臓機能低下タイプ
・めまい
・たちくらみ
・爪が脆い
・筋や腱がしびれたりひきつる
・便が柔らかい
・憂鬱っぽい
上記が当てはまる方は、肝の機能を促進する治療をします。
何故、肝が強まったり弱まったりするの?
「肝臓」は西洋医学的に考えても
・タンパク質代謝
・コレステロール分解
・有害物質の無害化
など、常にモーターのように作動しているので、ストレスを抱えやすいです。
ストレスを抱えると肝の作用は弱まったり、強まったりします。
鍼はどのようにして肝に効くの?
こちらは1,000年程前に書かれた肝の経絡図です。
経絡とは、全身には361穴のツボがありますが、ツボは頭の先からからつま先まであります。
ツボ(経穴)とツボ(経穴)は1本の線で繋がっており、その線を経絡といいます。
電車に例えると新宿ー新大久保ー高田馬場が山手線というように、中封ー蠡溝ー中都いうツボは肝の経絡で結ばれます。
この図からも肝の経絡は目や頭のてっぺんにまで達していることがわかります。
肝の経絡は肝を貫くことから、肝の経絡で治療をすると頭痛に効果があるといえます。
今からできる処方箋
日々ご自宅で出来ることとしては、漢方の服用やお灸があります。
ここでは肝の経絡に効くツボをご紹介します。
鍼や灸では肝のソセツを良くする為に、肝の経絡上にある経穴(ツボ)を使い、体性ー内臓反射により肝に作用します。
体制ー内臓反射とは体表面の刺激により、内臓に起こる反射のことです。
ですが資格の無い方は鍼は使えませんので、自宅ではお灸(せんねん灸)や指圧よって体制ー内臓反射で肝のソセツを促します。
「太衝」というツボをご紹介します。
太衝は足の甲面「第一中足骨」と「第二中骨」の間にあります。
足の親指と足の人差し指の間の骨と骨が交わるところが「太衝」です。
動脈拍動部なので、「ドクン・ドクン」と拍動を感じます。
指圧して少し痛みがあると思います。そこが太衝です。
最後に
慢性的に起こる頭痛は日常に支障をきたし、お辛いですよね。
「部分」を診る西洋医学と、「全体」を診る東洋医学の違い、解っていただけましたでしょうか
西洋医学も東洋医学も得意とする部分は両者が理解し、不得意とする部分は補い合って患者様の選択肢が広がれば本望です。
今回、東洋医学の有効性はごく一部のご紹介ですが、詳しく知りたい方は下記アニメーション動画をご覧下さい。