東洋医学で考えるPMS(月経前症候群)の治し方
こちらのページでは
・PMSに良いという様々なことをしたが改善がみられない
・月経痛に悩んでいる
・情緒が不安定
・薬(ピルやホルモン剤)を飲みたくない
とお悩みの方に、東洋医学・鍼灸治療で改善される訳をお話ししていきます。
下記動画は子宮筋腫が改善された方ですが、PMSにも悩まれておりました。東洋医学ではPMSや子宮筋腫等の婦人科疾患は同じ概念で捉え、治療していく為、こちらの動画をUPします。
今回は大きく分けてこの3つを、お話していきます。
①東洋医学がPMS(月経前症候群)に有効な理由
②PMSと肝の関係について
③今からできる処方箋
西洋医学におけるPMSの概念
「月経前の3~10日の間程続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失する」と定義されています。
原因は不明です。
治療法
・排卵抑制法
・精神安定剤
などの薬物療法があります。
本来の自然摂理である月経を停めてホルモンをコントロールする偽閉経療法は、自然摂理に逆らった対処的措置に過ぎません。
何故ならホルモンは、私たちの生きていくうえで必要な中枢を担っているからです。
私たちの身体はホルモンの生成分泌により生理があり、妊娠が出来、子供を授かります。
ご飯を食べると自然に血糖値が上がり、調整してくれるのは体内に備わっているインスリンホルモンです。
外に浮遊している大気中の汚染物質等から身を守っているのはアレルギーや免疫に作用するステロイドホルモンです。
ですので、自然に体内に生成分泌されているホルモンをコントロールするということは、自然に摂理に逆らった対象措置に過ぎません。
東洋医学ではそれをわかっている為、「PMS」は身体全体の何処に根本原因があるのか、全体を俯瞰して考えることから根本原因を突き止めることができます。
「火のないところに煙は立たぬ」という言葉があります。
火のないところに煙はたたないので、火の元である根本原因を理解し、それに対して治療することが有効であると考えます。
①東洋医学がPMSに有効な理由
東洋医学は2500年前もの歴史がある経験医学です。
現代のように医療機器が発展していなかった時代は、お医者さんは
・脈や腹
・舌の状態
・季節
・気候
など五感を使い、患者さんの今ある状態を把握していました。
ですので、東洋医学では現代の数値やデーターでは把握出来ない部分を診ることができます。
西洋医学との大きな違いの一つに【組織・器官は個別に機能するのでは無く全体は繋がっている】という考え方があります。
西洋医学はお医者さんに罹ろうとする時、様々な科に分かれます。
東洋医学では全体は繋がっていると考えることから、あらゆる疾患に対応出来ると言えます。
②PMSと肝の関係
下記の表で分かるように東洋医学では、あらゆる病(やまい)が五臓六腑(内臓)と関係していると考えます。
PMSの方は【肝】にに当てはまります。
PMSの方は
・頭痛
・生理の症状
・肩凝り腰痛などの筋肉の状態
・足の末端が冷える
・爪がもろい
などが派生して現れることが解ります。
東洋医学の肝とは
東洋医学では肝とは西洋医学の肝のこともいいますが、それだけではないです。
東洋医学で【肝】とは「疏泄作用」「造血作用」があります。
蔵血作用とは西洋医学でも肝臓は血液の貯蔵庫です。その蓄えている血液を疏泄作用により全身へと巡らします。
肝は車でいうとモーターのように常に稼働し、全身に血液を送る重要な作用をしています。
生理前の溜め込みやすい時期は血液の流れが滞っていると考え、肝の疏泄作用を高めることにより、血液が推動され滞っていた血液の巡りを促します。
そうすることにより、その他の派生して現れていた症状も改善されていきます。
鍼はどのようにして肝に作用するの?
こちらは1,000年程前に書かれた肝の経絡図です。
【経絡】とは全身には361穴のツボ(経穴)がありますが、ツボ(経穴)は頭の先からからつま先まであります。
ツボ(経穴)とツボ(経穴)は1本の線で繋がっており、その線を経絡といいます。
電車に例えると新宿ー新大久保ー高田馬場が山手線というように、中封ー蠡溝ー中都いうツボは肝の経絡で結ばれます。
この図からも肝の経絡は目や頭のてっぺんにまで達していることがわかります。
肝の経絡は肝を貫くことから、肝の経絡で治療をするとPMSに効果があるといえます。
今からできる処方箋
日々ご自宅で出来ることとしては、漢方の服用やお灸があります。
ここでは肝の経絡に効くツボをご紹介します。
鍼や灸では肝のソセツを良くする為に、肝の経絡上にある経穴(ツボ)を使い、体性ー内臓反射により肝に作用します。
体制ー内臓反射とは体表面の刺激により、内臓に起こる反射のことです。
ですが資格の無い方は鍼は使えませんので、自宅ではお灸(せんねん灸)や指圧よって体制ー内臓反射で肝のソセツを促します。
太衝は足の甲面「第一中足骨」と「第二中骨」の間にあります。足の親指と足の人差し指の間の骨と骨が交わるところが「太衝」です。動脈拍動部なので、「ドクン・ドクン」と拍動を感じます。指圧して少し痛みがあると思います。そこが太衝です。
最後に
「部分」を診る西洋医学と、「全体」を診る東洋医学の違い、解っていただけましたでしょうか
西洋医学も東洋医学も得意とする部分は両者が理解し、不得意とする部分は補い合って患者様の選択肢が広がれば本望です。
今回、東洋医学の有効性はごく一部のご紹介ですが、詳しく知りたい方は下記アニメーション動画をご覧下さい。