東洋医学で考える顔面神経麻痺の治し方
こちらのページでは
・顔面神経麻痺と診断されて改善されない
・様々な医療機関に足を運んだが改善が診られない
・薬を飲んでも改善されない
とお悩みの方に、東洋医学鍼灸治療で改善される訳をお話していきます。
今回は大きく分けてこの3つを、お話ししていきます。
①東洋医学が顔面神経麻痺に有効な理由
②顔面神経麻痺と肺の関係について
③今から出来る処方箋
西洋医学における顔面神経麻痺の概念
「顔面神経の麻痺によって障害側の顔面筋のコントロールができなくなった状態」と定義されています。
多くの場合はベル麻痺で、原因不明とされています。ウイルスが神経に関与し、発症するとも考えられています。
また、耳の周囲や耳が痛むなどとした場合には、「ハント症候群」と呼ばれ、同じくウイルスによるものだとされています。
これらの病名は脳腫瘍は脳卒中に罹患していない場合に診断されます。
治療法
・点滴によるステロイド
・抗炎症薬
・抗ウイルス薬
の服用などがあります。
ですがそれらは原因不明の為、麻痺を抑えるという対処的な処方になります。
ステロイドの長期服用における体内の作用
ステロイドとは体内の「副腎」から分泌されるホルモンで、糖代謝、脂質代謝、骨に対する作用、免疫、アレルギー、に関わっています。
ステロイドを長期服用する事で自然摂理である体内の自然分泌能力が低下し、あらゆる副作用が生じることがあります。
糖尿病、皮膚症状、骨密度の低下、浮腫み、易感染(細菌感染に罹りやすい)、高コレステロール血症などです。
ステロイドには細胞増殖を抑制することにより創傷治癒を遅延させる作用がある為、一度このような障害を生じると、治癒までに時間を要します。
例えばアトピーの方が外用薬のステロイドを長期使用していると、皮膚が委縮し色素沈着して茶色や赤色の硬く厚くなる皮膚、いわゆる「象の肌」の様になってしまった方が、ステロイドを辞める為に脱ステロイドをする方が多く見られます。
人間はホルモンの奴隷と言われますが、私たちの身体に備わっている本来の生理現象では、あらゆるホルモンの支配下で行われています。
それらを体外からコントロールすると「ホメオスタシス(恒常性)に何かしらの負荷がかかり、どこかに支障をきたす。」
と考える方が自然かもしれません。
「火のないところに煙は立たぬ」という言葉があります。
火のないところに煙はたたないので、火の元である根本原因を理解し、それに対して治療することが有効であると考えます。
①東洋医学が顔面神経麻痺に有効な理由
東洋医学は2500年前もの歴史がある経験医学です。
現代のように医療機器が発展していなかった時代は、お医者さんは
・脈や腹
・舌の状態
・季節
・気候
など五感を使い、患者さんの今ある状態を把握していました。
ですので、東洋医学では現代の数値やデーターでは把握出来ない部分を診ることができます。
西洋医学との大きな違いの一つに組織器官は個別に機能するのではなく、全体が一つの繋がりを持っているといった考え方があります。
西洋医学はお医者さんに罹ろうとする時、様々な科に分かれます。
東洋医学では全体は繋がっていると考えることから、あらゆる疾患に対応出来ると言えます。
②顔面神経麻痺と肺の関係
下記の表で分かるように東洋医学ではあらゆる病(やまい)が五臓六腑(内臓)と関係していると考えます。
顔面神経麻痺の方は【肺虚】体質の方が多いです。
肺虚体質の方は(顔面神経麻痺をお持ちの方は)
・皮膚症状
・鼻炎
・風邪
・喘息
・花粉症
などがあることが解ります。
東洋医学の肺とは
東洋医学では肺とは西洋医学の肺のこともいいますが、それだけではないです。
肺は下記イラストの水色文字にある通り、【宣発•粛降】という作用があり、肺の宣発作用により呼吸と一緒に血液を運びます。
酸素(気)と血液(血)は上記イラストから分かる通り、【皮・毛】のある=【体表】を巡っています。
気・血の巡りは体表にある毛・皮を滋養するので、外邪(外的物質)から身を守ります。
【外邪】とはその名の通り、外的物質のことです。ウイルス・花粉・大気中に汚染されている物質などを指します。体表にある【皮膚】を強くすることで外邪に侵されにくい体質になることです。
同じ日本に住んでいても、同じ環境にいてもウイルスのかからない方、花粉症ではない方がいます。
そのような方は肺の宣発作用がより良く、循環している為【免疫】が強いです。
顔面神経麻痺は外邪によるものだと捉え、肺の宣発・粛降作用を高めることにより治癒力を高めていきます。
風邪をひきやすい・ウイルスにかかりやすい・という方はこの肺の作用を高め気血を推動させてあげることが重要です。
気血の循環を推動させるとは、免疫を高めることにもつながります。
外邪に入られていた場合でも気・血を推動させ免疫を高めることで、外邪に対する抵抗力を高められるという訳です。
鍼はどのようにして肺の作用を高めるの?
こちらは1,000年程前に書かれた肺の経絡図です。
【経絡】とは全身には361穴のツボ(経穴)がありますが、ツボ(経穴)は頭の先からからつま先まであります。
ツボ(経穴)とツボ(経穴)は1本の線で繋がっており、その線を経絡といいます。
電車に例えると新宿ー新大久保ー高田馬場が山手線というように、
中府ー雲門ー天府というツボ(経穴)はは肺の経絡で結ばれます。
肺の経絡は肺を貫くことから、肺の経絡で治療をすると肺とに効果があるといえます。
③今からできる処方箋
日々ご自宅で出来ることとしては、漢方の服用やお灸があります。
ここでは肺の病(やまい)に効くツボ(経穴)をご紹介します。
ツボは【孔最】というツボ(経穴)です。
孔最は肺の経絡で、手の平を「パ~」にしたとき手の関節と肘の関節の中間の親指一個分上にあります。
親指側の延長線上にあります。
少し押すと圧痛が感じられると思います。
・炎症
・免疫強化
・アレルギー
などに効果の高いツボです。
☆最後に
顔面神経麻痺は日常に支障をきたし自分ではコントロール出来ないので、お辛いこととお察し致します。
「部分」を診る西洋医学と、「全体」を診る東洋医学の違い、解っていただけましたでしょうか。
西洋医学も東洋医学も得意とする部分は両者が理解し、不得意とする部分は補い合って患者様の選択肢が広がれば本望です。
今回東洋医学の有効性はごく一部ですが、詳しく知りたい方は下記動画をご覧ください。
アニメーション動画で分かり易くなっております。